精神科女医の健康談義

精神科医の立場で精神科医療や栄養療法、漢方治療などについてわかりやすくお伝えしています。

大阪マラソンへの道④ー完走へー

12月1日大阪マラソン当日。3か月間のトレーニングの集大成です。

 

前日は糖質中心で腹八分目の食事に抑え、マッサージをし、早く就寝しました。

当日は5時起床。

豆乳にMCTオイル、それから卵焼きと白ご飯の朝食を食べ、ランニングウェアの上に服を着て、会場に向かいました。

電車の中では、更にMCTオイルの補給、COQ10カルニチンナイアシンの補給も行い、アミノ酸ゼリーも飲みました。エネルギー不足だけは避けたかったので、こまめに摂取する事を心がけました。

 

第3ウエーブだったので、9時25分スタート、9時5分にスタート地点の閉鎖です。森ノ宮駅に8時過ぎに到着しました。ものすごい人でしたが、手荷物預けもしなかったため、スムーズにスタート地点に到着しました。

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天気は快晴です。待ち時間は非常に寒くなることを予想していましたが、手袋をして、前々日のEXPO2019のTOYOTAでもらったビニールをかぶっていると、十分耐えれる寒さでした。

 

9時25分スタート。非常に人が多く、身動きがとりにくい状況でしたが、走るにつれ徐々にばらけていきました。1km7分ちょっとのペースを守りながら走っていると、多くのランナーに追い越されていきます。まだ先は長いと、焦りそうになるのをぐっとこらえ、自分のペースを守り、走り続けました。沿道の応援やランナーの仮装などが非常に面白く、そちらに気を取られていると、5kmぐらいはあっという間です。造幣局を確認するのも忘れていました。

御堂筋のイチョウ並木を気持ちよく走り、道頓堀では記念撮影をする人が多数いるのを横目に調子よく走り続けました。難波から京セラ方向への折り返しの部分では、さすがに長いな〜と感じ、アミノ酸ゼリーを少しずつ飲みながら走りました。途中のエイドやトイレは多くの人でしたので、時々水分をとる程度で流していきました。

 

10km地点で左膝の痛みを感じ、徐々に強くなりました。これまで10kmでこんな痛みを感じたことがなかったので、何かがおかしいと感じました。

考えてみると、いつも前傾姿勢を意識して走っていたのが、沿道やランナーを見ていたため、上体が上向きになり、前傾が崩れ、かかと重心で走っていたようです。この痛みが続くと走り続けられなくなると思い、急遽背筋をのばして前傾姿勢で走りました。しばらく強い痛みでしたが、徐々に和らぎ、いつもの感覚に戻りました。一安心です。

 

なにわ筋の応援も賑やかでした。21km地点に差し掛かった時には、まだ体力は残っていました。ここからはこれまで経験のない未知の領域のため気を引き締めます。やや疲労もでてきて、ゼリーを補給する気持ちにもなれず、ひたすら走りました。

何とか耐えながら、上本町へ。そろそろエネルギー補給しないと後半が心配と思っていところで、29kmのまいどエイドに到着です。

まいどエイドは、大阪マラソン名物です。様々な補給食が並んでおり、人だかりができています。さくらもちや冷やしパイナップル、いなりずし、きゅうり、シュークリーム、たこやき、からあげなど。大根のおつけものが食べたい!と思い一目散にそちらへ。あまり人気がないようで他に比べると人も少なく、スムーズにもらえました。いなりずしもあったのでそれも一つ。そしてらっきょうも頂きました。お腹が痛くなるといけないので、食べすぎは禁物です。

 

少し元気をとり戻し、いよいよ30kmへ。

30kmの壁、足が動かなくなると聞いていたので、心して30km地点に挑みます。しかし、まだまだ大丈夫!という気持ちでした。このあたりでは歩いている人が多数いたので、その人たちの間をくぐり抜け、走り続けました。若干ペースは落ちていましたが、5km37分ぐらいで走り、たくさんの人を追い抜きました。四天王寺の辺りではお坊さんも沿道におられました。ブラマヨの小杉さんもこのあたりで追い抜きました。これだけの練習期間で、ここまで走れるのはやはり、栄養療法を熟知していたおかげだと確信していました。そして、この3か月を懐かしく思う余裕もありました。

しかし35kmを過ぎ、今里筋を登る中、ゴールを意識し始めた途端、1kmが非常に長く感じられらようになりました。35km走ってきたのに、ゴールまでが果てしなく遠く感じます。ここからは、体力ではなく、根性、気持ちだと言い聞かせ、耐えて耐えて走り続けました。エイドでコーラがあったので、力を振り絞って飲みましたが、この時点での炭酸はやや負担が大きかったです。

徐々に余裕がなくなっていきます。

 

最後の2kmでは、本当に辛くてなかなか前に進めません。こんなに長い2キロは経験した事がありません。足は大丈夫ですが、呼吸器の問題のようです。ここまで来ると呼吸機能がキーポイントのようです。両手が冷たくなり、体が限界にきてると感じました。後半ほとんどエネルギーを補給できなかったことも原因だったかもしれません。とにもかくにも、あと少し。最後まで歩かずに走り続けることを目標にしていたので、ここで止まるわけにはいきません。応援してくれている人を思い出しながら、体をひきずるように、だらだらと走り、フラフラながらも何とかゴールにたどりつきました。

結果、5時間11分での完走でした。

 

今回、初めてのフルマラソンにも関わらず、足がつることもなく、極端なエネルギー不足にもならずに、ほぼ同じペースで走れたのは、エネルギー産生に必要な栄養素をしっかりと摂取していたためと思います。やはり、知識は人を助けてくれます。

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沿道での家族の応援は非常に力になり、ランニング終了後の両親や友人からのメールは、何とも言えない感謝や感動をもたらしてくれました。

 

ラソン前日に、大切な友人からメールでマザーテレサの言葉を頂きました。

「神様は私たちに成功してほしいとは求めていません。挑戦することを望んでいるだけです」

ラソン中に何度もこの言葉を思い出しました。そのおかげか、ゴールすることではなく、今走り続けることに集中できたように思います。

大人になると知らず知らずのうちに、自分ができそうなこと、失敗しなさそうなことばかりを選んでいるのかもしれません。

今回の挑戦は、「自分には絶対に無理」というところからのスタートでした。

これを終えて思う事は、成功に固執しなければ、失敗を恐れなければ、挑戦できることはまだまだあるということです。

 

大阪マラソンチャレンジ、最高の経験でした。

 

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