精神科女医の健康談義

精神科医の立場で精神科医療や栄養療法、漢方治療などについてわかりやすくお伝えしています。

精神医療

双極性障害の話

双極性障害にはⅠ型とⅡ型があります。 その違いは簡単に言うと、躁病エピソードがⅠ型は躁状態、Ⅱ型は軽躁状態ということです。この二つは「程度の差」ではなく、病態が異なると捉えた方がよいです。 Ⅰ型の場合、躁状態になった際には、ほぼ確実に入院が必要に…

うつ病にならないための7か条

今週は京都で開催している、第39回日本精神科診断学会に参加しています。 抗加齢学会や栄養関係の研究会などに比べて、やはり最新の研究結果や知見は乏しい印象です。しかし日々の臨床のヒントなど、得るものも多くありました。 気分障害で、非常にご高名な…

うつ病の症状が少し落ち着いたら~セロトニンやメラトニンの不足を解消する生活習慣~

うつ病の原因はモノアミン仮説が主流です。セロトニンやノルアドレナリンの低下により、抑うつ気分、意欲低下、不安などの症状が出現すると言われています。 現在うつ病に用いられるのはこのセロトニンやノルアドレナリンを増やすタイプの薬です。 脳内のセ…

認知症の予防は40歳から

今日は日本認知症予防学会の専門医教育セミナーを受講してきました。 現在、認知症の原因と言われているアミロイドβの蓄積は、発症より20~25年前には始まっています。 従って、予防が早すぎるということはありません。100年ライフを生きる私たちは、誰もが4…

うつ病予防に摂りたい、MCTオイルは乳化させよ

以前の記事に、MCTオイルがうつ病の症状改善やうつ病予防に効果があるだろうというお話をしました。 今回はMCTオイルについてお話したいと思います。 www.sakuranbo23.com MCTオイルとは MCTオイルで認知症も予防 MCTオイルの摂取法 MCTオイルとは MCTオイル…

その物忘れは認知症?-認知症と加齢による物忘れの違いー

認知症の診断目的で来られる患者さんはもちろん、うつ病など他の疾患で通院されている患者さんからも「私は認知症ではないでしょうか」と相談されることが、多々あります。 認知症と加齢による物忘れについてお話したいと思います。 物忘れを心配される患者…

うつ病の新たな治療②-炎症を抑えるにはー

前回の続きです。 前回はうつ病の病態の一部は炎症が関与しているというものでした。 では、脳内の炎症を制御すれば、うつ病の予防になる、もしくは一部のうつ病は改善するのではないかということです。 BHBの投与が脳内で炎症を制御する 中鎖脂肪酸の摂取で…

うつ病の新たな治療①-うつ病と炎症の関係ー

最近は、うつ病や自閉症、アルツハイマー型認知症に、脳内の炎症が関係しているという報告が相次いでいます。予防医学の分野では、いかに炎症をおさえるかというのが、老化を抑える非常に重要な要素となっています。 先日、岩田正明先生(鳥取大学医学部脳神…

従来のうつ病の治療と分子栄養学のうつ病の治療

精神科でのうつ病治療 分子栄養学でのうつ病治療 精神科でのうつ病治療 精神科ではうつ病の治療は「モノアミン仮説」に基づいて行われています。 「モノアミン仮説」とは、神経伝達物質である、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなどのモノアミンが不…

うつ病はコレステロールに注意

うつ病の患者さんに血液検査をすると、コレステロールが低い人が非常に多くみられます。私が栄養療法を勉強するまでは、食欲が低下している結果だろうという程度にしか考えていませんでした。 うつ病の人のコレステロールが低下するメカニズム、その結果、う…

精神科の5分診療について

病院が5分診療と揶揄される事を多々見かけます。もちろん精神科も例外ではありません。精神科なんてゆっくり話をしてなんぼと思われているかもしれません。 私の外来では、30分で4,5人は診なければならない状況です。勿論ゆっくり診療できるのが一番ですが…