精神科女医の健康談義

精神科医の立場で精神科医療や栄養療法、漢方治療などについてわかりやすくお伝えしています。

グルテンフリーを2週間試すとよいことがあるかもしれません。

今日は午後から外勤だったので、外勤先の近くのカフェでランチを食べました。グルテンカゼインフリーのカフェです。

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お昼時でしたが、お客さんは全員、外国の方でした。
以前、ホームステイを受け入れたオーストラリア人がヴィーガンの女の子でした。日本ではグルテンフリーやヴィーガンのお店を探すのが大変だと話していました。


グルテンフリーという言葉は、ここ数年で飛躍的に聞きなれたものになってきました。
なぜグルテンフリーがよいのでしょうか。

 

グルテンは小麦由来のタンパク質です。グルテンは分解されにくい構造になっており、未消化のまま腸に届き、腸粘膜を傷つけてしまいます。リーキーガット症候群、炎症の原因になります。つまり、グルテンを食べ続けることで腸管に穴があいて、すかすかな状態になり、そこから様々な物質が入り込んでしまいます。そうすると特定の食べ物にアレルギー反応を起こしたり(遅延型フードアレルギー)、有害金属や化学物質を体内に流入させてしまいます。だるい、頭がぼーっとする、蕁麻疹、下痢、便秘などの様々な症状を引き起こします。糖も直接入り込み、血糖値が不安定になります。
リーキーガット症候群について詳しく知りたい方は宮澤先生のHPをご覧ください。

https://miyazawaclinic.net/orthomolecular/blog


グルテンを2週間断ってみると、体が楽になったり、アレルギーが落ち着いたり、お腹の調子がよくなるかもしれません。そうであれば、不調の原因はグルテンの影響と考えられますので、しばらくはグルテンフリーの食生活を送り、腸内環境の改善に努めましょう。


しかしグルテンはやめるのが一苦労です。私たちの周りにはグルテンが溢れています。パン、うどん、ラーメン、お好み焼き、パスタ、ケーキ、クッキー・・・。食べるものがかなり制限されてしまいます。
更に、グルテンは、モルヒネ様作用を持ち、中毒性があります。パン好きの人はパン屋を見たら入らずにはいれないというやつです。パン中毒の人に、いきなりグルテンフリーは難しいので、少しずつ、米粉パンなどの代替製品に置き換えていくしかありません。

 

腸が丈夫で消化力のある人であれば、グルテンの影響は少ないでしょうし、全ての人にグルテンフリーが必要というわけではありません。


しかしもし不調の原因となっているのであれば、慢性的な炎症を抱えることになり、様々な疾患を引き起こす可能性があります。
できるところから少しずつ始めてみてはどうでしょうか。

 

かくいう私はパンが大好きです。以前は、食パンとコーヒーが至福の朝食でした。今は朝は、ごはん食にしています。麺類はほとんど食べません。しかし休日のランチや、時々は朝食に、大好きなサンドイッチや食パンを食べます。嗜好品と考えて、楽しんで食べるようにしています。