糖質制限ってどうなの?
糖質制限がブームです。
好きなだけお肉を食べれて、短期間で体重が落ちるという事で夢のようなダイエット方として、一大ブームを巻き起こしました。
実際に私も、1か月糖質制限をして3㎏ほど体重が減ったことがあります。
では糖質制限はいいことばかりか、誰もが糖質制限をしていいのか、についてお話したいと思います。
糖尿病治療という観点からは、2013年にアメリカの糖尿病学会(ADA)は、糖質制限を食事療法の一つとして認めています。特別良いというわけではなく、数ある食事療法(地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食)の中の一つという位置づけです。
つまり、「人によっては」いいかもしれないという解釈でよいと思います。
糖質制限よりもカロリー制限を主張するグループでは、カロリー制限はサーチュイン遺伝子という長寿遺伝子を活性化する、つまり長生きする。それに対して、糖質制限は肉食でありホモシステインという物質を増加させ、心疾患のリスクを上げると主張しています。様々なデータが出ており、今後もしばらくは、カロリー制限と糖質制限のバトルは続くと思われます。
分子栄養学的な観点からの答えは「糖質制限していい人といけない人がいる」ということです。
分子栄養学では個体差を重視します。同じサプリメントを飲んでも、皆に同じ効果が得られるわけではありません。
糖質制限をして調子が悪くなる人のパターンの一つを紹介したいと思います。
甘いものやパスタが大好き、細身で筋肉が少ないA子さん。これまでストレス解消は、友人とのスイーツ巡りでした。最近流行りの引き締まった美ボディを作るために、ジムに通い始めました。そこでトレーナーさんに筋トレとプロテインの摂取、糖質制限をすすめられ、さっそく開始しました。
お肉中心の食生活、ジムの前後ではプロテインという生活になりました。
しかし、数日後には、何だか疲れやすくなってきました。お腹が張ってごろごろします。おならや便の臭いもきつくなってきました。
内科を受診し、血液検査をしてみるとなぜかコレステロールが高値に。
それからは脂肪も抜かないといけないと思い、脂肪も控えるようになりました。その後は、夕方にはふらふらして動悸や冷や汗もでてくるようになりました。夜は何度も目が覚めてぐっすり眠れません。とうとう仕事にも支障がでるようになり、心療内科を受診するはめになりました。
極端な例ですが、分子栄養学ではわかりやすい症例です。
次回はこの解説を含めて、糖質制限してはいけない人についてお話したいと思います。