精神科女医の健康談義

精神科医の立場で精神科医療や栄養療法、漢方治療などについてわかりやすくお伝えしています。

夕方の不調は低血糖かもしれません

夕方になると、体がだるくなる、異常な空腹感を感じる、頭がぼんやりする...これは低血糖かもしれません。

 

本来血糖値は午前4時が最高、午後4時が最低です。これは副腎機能の日内変動と一致しています。

血糖維持という視点からは、夕方は非常に危険な時間帯です。

 

 

 

夕方に血糖値を維持できないのはどういう人?

 

この時間帯に血糖値をうまく維持できないのはどういった場合でしょうか。

 

一つ目は、昼食後の高血糖に反応してインスリン(血糖値を下げるホルモン)の過剰分泌が起こります。そうすると、急激に血糖が低下し、食後数時間後の夕方の時間帯に、低血糖を起こす事があります。反応性低血糖症と呼ばれ、血糖調節障害の一つです。

二つ目は、コルチゾールなどの血糖を上昇させるホルモンがうまく出ない人、つまり副腎疲労の人も夕方の血糖をうまく維持できません。

 

こうなると、夕方に低血糖の症状が出現します。だるい、ぼーっとする、イライラする、空腹感、動悸、冷や汗などが出ることもあります。

 

精神科病院の入院患者さんの中にも、夕方に不安を訴え、頓服を使用する方が多くみられます。全てが血糖値で解決できるとは思いませんが、一部に血糖値が原因の方もおられると考えています。

 

夕方の低血糖への対処法

 

ではどう対策を取れば良いのでしょうか。

手っ取り早いのは、低血糖が起こる前、3時ごろに補食をとる事です。ここで甘いお菓子などを食べてはいけません。再び、高血糖から低血糖へ、血糖値の乱高下が起こります。ゆで卵やチーズ、コンビニであれば焼鳥串などのタンパク質がおススメです。しかしタンパク質は下がり切った血糖値を急激に上がることはできないので、血糖値が下がり切る前の3時頃に食べるのがポイントです。

もう一つは、昼食に注意することです。お昼に大量の糖質を取ると、食後高血糖からの低血糖で乱高下パターンが起こります。高血糖を起こさない、低糖質な食事がおススメです。

どんぶりや麺類は控える、定食でご飯を少なめにして、野菜→肉や魚→ご飯の順に食べる、などです。

そして、甘いお菓子はいけないと思い、カロリーゼロの飴などを食べるのも危険です。カロリーゼロ製品に入ってる、人工甘味料は血糖値は上がりませんが、インスリンの分泌を刺激するといわれています。実はフリスクなども、人工甘味料が入っており、注意か必要です。

 

夕方の不調に、思い当たる人は是非試してみてください。

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