精神科女医の健康談義

精神科医の立場で精神科医療や栄養療法、漢方治療などについてわかりやすくお伝えしています。

マグロは週に2回まで!

昨日と今日、続けてテレビ番組でマグロがヘルシー食材として取り上げられていました。DHA,EPAが豊富、良質のたんぱく質であるなど・・・。栄養療法の視点からは、とても違和感を感じ、これで毎日のようにマグロを食べる人が出たら大変と思い、マグロの危険性についてお話したいと思います。

水銀というと水俣病、つまり過去の病気と考える人も少なくないかもしれません。水俣病は化学工場の廃液中の有機水銀によって汚染された魚介類の摂取が原因でした。

マグロは食物連鎖の上位の魚であるため、生物濃縮で水銀の濃度が高いといえます。日本海は水銀汚染の高い地域です。(これは日本や中国で火力発電が多いことが関係しています。)

米国や日本が提唱している、人に害のない1週間あたりの水銀の摂取量は、マグロの1回平均摂取量80gとすると、週2回食べると超えてしまいます。

実は厚生労働省も胎児への影響を防ぐために、妊婦はマグロは週に1回までと注意喚起をだしています。 

www.mhlw.go.jp

私は妊娠している時には、こんなことを厚労省が言ってることを知りませんでした。

水銀は胎盤を通過し、胎児へ影響を与えることは確かです。

子供も水銀の影響を受けやすいので注意が必要です。マグロのお寿司が1貫15g、回転寿司で3皿食べるとアウトです。これも知らずに子供に無制限にマグロを食べさせていました。無知は恐ろしいです・・・。

水銀は全身に影響します。ミトコンドリア機能低下させ、マグネシウムの作用を抑制します。疲労感やうつ、苛立ち、腹部膨満感、記憶障害などの原因となります。そして近年は自閉症と水銀の関連を示唆する文献も多数みられます。

水銀の蓄積を防ぐためには、排泄できる体にするのが一番ですが、これは遺伝的な要素も含まれるので、そう簡単にはいきません。デトックス治療もありますが、手間もお金もかかります。まずは入ってくるのを防ぐのが、手っ取り早そうです。

マグロは週に2回まで。(キンメダイも同じです。)

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